さいたま市見沼区の市道交差点で2月、女性(当時87)が車にはねられ死亡する事故があった。この交差点は地元では「危険な交差点」として知られ、住民らが信号機の設置を何度も市や県警に要望していた場所だった。なぜ、要望は聞き入れられなかったのか。
事故があったのは、2月7日の午後5時45分ごろ。日没から約30分が経っていた。同市見沼区東門前の交差点で、横断歩道を渡っていた女性(当時87)が一時停止の標識のある市道を左折してきた車にはねられた。運転手の男は自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)などの疑いで逮捕・起訴された。
この交差点は、「大谷中通り」と呼ばれるほぼ南北を走る片側1車線の市道(優先道路)と、北西と東からの市道がそれぞれ交わる変則的な十字路。そばにはスーパーやドラッグストアがあり、並行して走る県道「さいたま春日部線」の抜け道にもなっているため、大谷中通りは車が多い。この通りにかかる横断歩道は、店舗を利用する歩行者や自転車が頻繁に行き来する。朝夕は、東武野田線の七里駅に向かう学生や会社員の姿もある。
■車の間を縫うように渡る歩行…