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信州大付属松本小学校の授業時間不足で記者会見し、謝罪する信州大の関係者たち=2025年4月24日、長野県松本市、小山裕一撮影

 信州大学(本部・長野県松本市)は24日、付属松本小学校の1クラスで2024年度、学校教育法施行規則で定められた授業時間が不足していた教科が複数あったと発表した。補習をするなどして対応するという。

 発表によると、授業時間が不足していたのは3年生以上の1クラスで、約35人が影響を受けた。国語や社会、算数、道徳など7教科で、本来は年間で計665時間の履修が必要なのに対し、264時間足りなかったという。

 信大は「学年が特定されると、児童への影響が心配される」として、詳しい学年を明らかにしていない。授業を受け持った担任が、足りなくなった264時間のほとんどを、児童たちが探究的に学ぶ「総合学習」に充てていたという。

 信大付属松本小は文部科学省の指定を受け、1、2年生では国語や算数などの教科の枠組みではなく、「ことば」「かがく」「くらし」「ひょうげん」という区分で、従来の教科の内容を総合的に教えている。この担任は、こうした授業を経験しており、3年生以上でも総合学習の時間で「国語や算数などの内容を一体的に教えてもいい」と考えて、時間割を変更。国語や算数についてはそれぞれ60時間前後、社会は50時間ほど削り、総合学習を増やしていたという。

 信大は付属松本小学校の別の学年のほか、他の付属学校でも同様の事例がないか調べるとともに、教頭や校長が授業の実施状況を週ごとに確認するなど、再発防止策に取り組むとしている。

 信大の担当者は記者会見で「児童や保護者らに心配や迷惑をかけ、申し訳ない」と謝罪した。

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