立原繁・東海大名誉教授=2024年12月19日、東京都中央区

 全国の郵便局が取り扱った郵便物で、局員らに捨てられたり放置されたりして適切に届かなかったことが判明した事案の中に、日本郵便が公表していないケースがあることがわかった。どう捉えればいいのか。郵便事業に詳しい立原繁・東海大名誉教授(郵政事業論)に聞いた。

 放棄や隠匿、紛失などの疑いの事案を公表しないことは、郵便事業への信頼を失わせるものだ。郵便は「出したら届くもの」という信頼の上に成り立つサービスで、その根幹を崩すことになる。

  • 郵便物の不配4000通、日本郵便公表せず 差出人が気づけない恐れ

 適切に届けられていなかった郵便物があったのなら、故意か過失かを問わず、全て公表すべきだ。差出人や受取人にとっては、届かなかった事実に変わりはない。公表基準も説明されてきておらず、恣意(しい)的に非公表として処理し、不祥事を隠そうとしていると思われても仕方がない。

「非公表」だと救済されない恐れ

 非公表にすることで生じ得る…

共有
Exit mobile version