俳句涅槃図を奉納した俳人の黛まどかさん=2025年1月9日、京都市東山区、新井義顕撮影

 俳人の黛(まゆずみ)まどかさんが、俳句の師匠でもあった亡き父に捧げたいと発案した「俳句涅槃(ねはん)図」が、京都・建仁寺の塔頭(たっちゅう)、西来(せいらい)院に奉納された。黛さんの風変わりな願いに応えたのが、ポップな作風が持ち味の壁画絵師、木村英輝さん。俳句と絵画がコラボした異色の作品は3月18日まで特別公開されている。

 黛さんの父、俳人の黛執(しゅう)さんは2020年10月、90歳で亡くなった。常に笑顔を絶やさず、優しかった父。誰かを好きになっても、父と比べると「恋が冷めた」。

 「分身」のような存在の父をなくした喪失感は大きかった。時の流れも、心の痛みを癒やしてはくれない。句作もできず、落ち込む日々が続いた。

 そんな黛さんに立ち直るきっかけを与えてくれたのが、1枚の絵だ。

 それは、毎年のように京都・…

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