14日に開かれた自民党総裁選の討論会(日本記者クラブ主催)では、9候補による論戦が交わされた。選挙情勢もにらみ、各自が訴える政策を問う応酬が続く一方、いずれも「政治とカネ」への主張は従来通りで、踏み込みの弱さが目立つ内容に終わった。

 14日午後1時、東京都千代田区の日本プレスセンターに9候補が集まった。それぞれボードを掲げて1分間のスピーチを終えると、各候補が自分以外の1人を指名し、質問する時間に入った。

 総裁選は、党員・党友による地方票と国会議員票を合計した得票で争われる。1回目で過半数を獲得する候補がいなければ、上位2人による決選投票に進む。9人が競う今回は票が分散されるため、決選投票の可能性が濃厚だ。

 誰を指名し、何を聞くか。2位までに入るための各候補の「戦略」があらわになる場面だった。各社世論調査で上位に名を連ねる石破茂元幹事長(67)=無派閥=と小泉進次郎元環境相(43)=無派閥=に質問が集中し、それぞれ3回ずつ指名された。

誰が誰に何を質問した?

 石破氏を指名したのは小林鷹之前経済安全保障相(49)=二階派=、林芳正官房長官(63)=旧岸田派=、茂木敏充幹事長(68)=茂木派=の3人。石破氏の持論である防災省の新設やアジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設に切り込んだ。

 林氏が「自衛隊、消防、警察…

共有
Exit mobile version