Smiley face
高級ブランド店への入場待ちの列をつくる訪日客ら=2024年6月5日、東京都中央区

超円安時代

歴史的な円安ドル高が続いている。家計の負担は膨らむ一方、輸出企業には過去最高益をもたらした。34年ぶりの円安水準は、私たちにとって、企業にとって、日本にとって、「恵み」か「災い」か。その功罪を解き明かす。

 今月上旬、東京・銀座を歩くと、海外高級ブランド店への入店を待つ行列が目立った。多い店では20人ほど。飛び交う言葉を聞くと、アジア系を中心に、ほとんどが訪日外国人のようだった。

 店から出てきた女性に話を聞くと、韓国から観光で来て、財布を約40万円で買ったという。「韓国より2割くらい安い」と満足げだ。

 行列の中には、すでに別のブランド店で買った紙袋を持った中国人女性もいた。中身は靴で、20万円超だったという。「どれくらいかはわからないけれども、中国で買うよりも安い」と話した。

 こうした内外価格差が生じる…

共有