トランプ米大統領は23日、イスラエルとイランは停戦合意に至ったと自身のSNSで強調しました。しかし、その後もイスラエルはイランからの攻撃を訴えるなど、不透明な情勢が続いています。各国のそれぞれの思惑や、今後の見通しはどうなるのか。杉山晋輔・元駐米大使、慶応大の田中浩一郎教授(イラン政治)、防衛大の江崎智絵准教授(中東国際関係)に聞きました。
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米攻撃、国際法違反とは断じられない 杉山晋輔・元駐米大使
トランプ米大統領の言う通り「全面的な停戦が完全に合意された」のであれば、最悪の事態は免れた。トランプ政権は、全面的な戦争になることを最初から望んでいない。イスラエルとイランの武力衝突を最小化させ、イランの核開発の根を断つ、というのが一貫した姿勢だ。イランの核施設3カ所への空爆も、この目的のもとに実行したと考えられる。
イランはどんなに劣勢であっても必ず報復するとわかっていた。だが、防衛力という点ではイランは弱い立場にあった。その状況下では、「負けている側(=イラン)が折れるべきだ」というのがトランプ氏の考え方なのではないか。イランを攻撃すれば、かなりのダメージを与えられるので、全面衝突を避けるためにも効果的だ、と考えたはずだ。
米軍による空爆を「国際法上…