(第97回選抜高校野球大会準決勝 第10日〈28日〉の見どころ。丸数字は試合順)
①健大高崎(群馬)―横浜(神奈川)
昨秋の関東大会決勝では、横浜が延長十回タイブレークの末、4―3で勝った。質の高い接戦が予想される。
横浜は3番阿部葉太が2回戦で3ランを放つなど大会屈指の打力がある。奥村凌大、為永皓の1、2番が好機を作って阿部葉に回せれば、得点の期待は高まる。健大高崎も石田雄星、加藤大成、秋山潤琉の上位打線が上り調子なのは好材料だ。
横浜の奥村頼人、健大高崎の石垣元気はともに今大会すべて救援登板。安定感あるエースにどうつなげるか、継投も鍵を握る。
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加藤大成主将(健大高崎) 秋季関東大会の決勝で敗戦。「横浜は投手を中心に流れを作るチーム。一回の攻撃と守りを大事にしたい。秋のリベンジっていうのは誰しもがわかっているので、向かっていくだけです」
阿部葉太主将(横浜) 「健大高崎は粘り強く、総合力が高いが、何とか食らいついていきたい。石垣、下重から簡単に連打はできない。犠打などで得点圏に走者を進めたい。1点への執念をもって、全員で戦う」
②智弁和歌山―浦和実(埼玉)
浦和実のエース石戸颯汰は3試合で計18回を投げ無失点。変則フォームから繰り出す直球は120キロ台でも、不思議なほどに打者を詰まらせる。
この左腕が強打の智弁和歌山も抑えてしまうのかが、最大の注目ポイントだ。智弁打線は全3試合で一回に先制。好調の山田凜虎や準々決勝で先制三塁打を放った山下晃平らがどう対応するか。
智弁は渡辺颯人ら投手陣も強力。浦和実は大量点は望めないが、3戦すべてで3得点以上のビッグイニングを作った集中力は大きな武器だ。
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山田希翔主将(智弁和歌山) 「相手エースの独特なフォームから投げてくる球を個々が振り回すのではなく、打線としてつなげていくことを意識したい。やるべきことを徹底して、一球にこだわって泥臭くやる」
小野蓮主将(浦和実) 「智弁和歌山の打者は抑えられる気がしないけど、気持ちで投げてロースコアの展開に持ち込めたら。自分たちが強いとは思っていない。チャレンジャーとして試合に臨みたい」