東日本大震災の津波でまちごと無くなってしまった仙台市若林区・荒浜地区。ここに100年ほど昔に途絶えた「荒浜磯獅子踊」という郷土芸能があった。わかっていることは多くはない。その獅子踊の再生に挑む人たちがいる。
6月中旬の荒浜。海の近くの集落跡の一角で、獅子たちが踊った。
ピーヒャラ、ピーヒャラ、ドンドコドン
手作りの獅子頭と太鼓を身につけて、勇ましくもコミカルに、謡(うたい)と笛の音に乗り跳ねたり回ったり。恋仲の牡(お)獅子と牝(め)獅子が草むらで再会するも、横恋慕した狂い獅子が現れて……。そんな物語だという。
実はこの日踊ったのは荒浜磯獅子踊ではなく、名取市の無形民俗文化財「熊野堂十二神鹿踊(じゅうにじんししおどり)」の演目だ。「本家」にはまだ、たどりつけていないのだ。
音が割れていたテープ でもよく似ている
主人公の牡獅子役は庄子隆弘…