備蓄米の随意契約について説明する小泉進次郎農林水産相=2025年5月26日午前11時1分、東京・霞が関、山田暢史撮影

 米価の高騰を抑えるため、政府は26日、備蓄米を任意の業者との「随意契約」で放出する手続きに入り、同日から受け付けを始めた。小泉進次郎農林水産相は店頭での想定販売価格を税抜き「5キロ2千円」程度と明言。備蓄米放出の効果が想定どおり出ていないことから、市場価格に政府が積極介入する方針に転換した。

  • 小泉農水相「価格破壊を…」 矢継ぎ早のコメ政策、批判のリスクも

 政府から業者への売り渡し価格は、玄米60キロあたり平均で税抜き1万700円(5キロ換算で892円)。入札によって決まっていたこれまでの備蓄米放出時の半額ほどだ。売り渡し先は、見込みも含めて年間1万トン以上のコメを扱う小売業者で、ネット通販も対象とする。

 この売り渡し価格は、精米後に利益などをのせて小売店で売られる値段が、5キロで税抜き2千円程度(税込み2160円程度)になる水準だとする。

 農水省がこの日にまとめた全国のスーパー約1千店での12~18日のコメの平均価格は税込み4285円で、前の週より17円(0.4%)高かった。2週連続で値上がりし、前年同期の2倍超の高値が続く。備蓄米をこの半額ほどで店頭に並べることで、ほかの銘柄米の値下がりにもつなげたい考えだ。

 まずは2022年産20万トンと21年産10万トンの計30万トンを放出する。新米が本格的に出回る前の8月までの販売分とし、買い戻しはしない。契約先を大手小売りに限るのは、農協などの集荷業者や卸売業者を通さず、小売店に早く届けるためだと説明している。6月上旬にも店頭に並び始める見通しだという。備蓄米の倉庫から指定の場所までの運送費は、農水省側で負担する。

対象業者を拡大方針 「無制限に出す」とも

 今後は状況をみながら契約先…

共有
Exit mobile version