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山口清之さん=2024年4月1日、石川県珠洲市、川村直子撮影
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 能登半島地震の被災地に、仮設トイレを届け続ける人がいる。車に自作のトイレを積み込んで、愛知県豊川市から能登に入ったのは1月初旬。以来ほぼ毎月通い、車中泊を重ねながら、設置や整備をしている。

 豪雨で再び深刻な被害に遭った石川県珠洲市や輪島市では、新たな設置を求める声もあがる。

 天然杉の壁面に手洗い場のある個室。子どもや高齢者も入りやすい、段差の低い出入り口。ソーラーパネルで発電し、温水洗浄便座を使える。清潔で臭わない。

 山口清之さん(39)が届けるのは「ほっと一息つける仮設トイレ」だ。

 「また断水になっちゃったけど、このトイレで本当に助かってる」。10月初旬、珠洲市の避難所を訪ねた山口さんに、住民の女性が声をかけた。地区では6月にようやく断水が解消されたが、9月の豪雨で浄水場が被災。再び断水し、住民らは湧き水を利用して仮設トイレを使っていた。「なんといっても『個室』なのが最高。快適で長居する人がいて困るぐらい」と女性が笑うと、山口さんは「役に立ててうれしいです」と頭を下げた。

 断水地域の別の避難所では「水を入れるタンクがあれば」と声をかけられ、「必要かも、と持ってきました」と積み荷を降ろした。支援はトイレにとどまらない。

利用者の声、熊本地震で直接聞き改良

 被災地へ通うことは、山口さんの「仮設トイレ開発」の原点だ。

 2015年にガードレールの…

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