女子サッカー・なでしこリーグで活躍した選手が、県職員に――。アスリートとしての経験を生かしてもらおうと、兵庫県が初めて導入した「ネクストキャリア採用」の第1号に、「ASハリマアルビオン」(姫路市)などに所属した巴月(はづき)優希(ゆうき)さん(30)が選ばれた。9月1日付で県スポーツ振興課に配属され、新たなフィールドでの活躍を目指す。
総合事務職(一般任期付き職員)として入庁した巴月さんは、大阪府吹田市出身で、5歳のころにサッカーを始めた。地元のクラブチームで男子たちと一緒にプレーしていたが、中・高校時代は大阪にある女子のクラブチームに所属。武庫川女子大に進学後に、なでしこリーグ「スペランツァ大阪」でプレーし、2013年にはU―19女子日本代表にも選出された。ASハリマアルビオンには20年から22年まで所属し、現役を引退。なでしこリーグで通算150試合出場を達成した。
県はスポーツ選手のセカンドキャリアに着目し、昨年から「ネクストキャリア採用」の検討を始めたという。県内には野球、サッカー、ラグビーなど国内トップリーグに所属するスポーツクラブがあり、選手たちの経験や知見を生かすことが狙いだった。
受験資格は「スポーツで顕著な実績を有する者」で、競技や種目は問わない。今年6月に若干名を募集したところ、4人が応募。書類選考や面接を経て巴月さんの採用が決まった。
巴月さんは「これまでは選手としてスポーツに携わってきたが、これからは県庁の職員として県内のスポーツを盛り上げていきたい。プロ選手が次のキャリアをどうするかは大きな課題でもあり、選択肢の幅が広がるような手助けもしていきたい。部活動の地域移行といった課題にも、元アスリートとして少しでも力になれたら」と話している。