2018年平昌、22年北京の冬季五輪に出場した元スピードスケート選手の郷亜里砂さん

 名称が今年から「国民スポーツ大会」に変わった「国民体育大会」。地元開催の都道府県は好成績を収めるために「助っ人」を雇う。元スピードスケート選手の郷亜里砂さんにそんな「助っ人」の実態について聞いた。

「選手の使い捨て、ですか?」

 私は2018年平昌、22年北京の冬季五輪に出場しました。初出場は30歳で、やっと出られたという思いでした。その前に国体の開催県だった山口と愛媛が「助っ人」として雇ってくれたから、競技を続けることができた。国体がなかったら、スケートをやめていたかなと思います。

 山梨学院大のときに日本学生選手権で優勝しました。それでもワールドカップに行くようなレベルではなかったんです。五輪のメダリストでさえ所属先やスポンサーを見つけるのは大変なので、私が実業団に入るのは難しかった。卒業した時点で競技から離れようかと思っていたら、大学の監督から、山口県が国体の選手として採用してくれるという話をもらいました。

 山口県とは1年ごとの契約更…

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