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醸造所内でジャパンブルワーズカップの表彰状を手に持つ西崎翔さん(左)と奥田亮平さん=奈良県橿原市五井町、塚本和人撮影
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 奈良県立医科大学付属病院の放射線技師だった男性が、自らが栽培した地元産のホップを生かした自然発酵のビールづくりに挑戦している。昨秋に橿原市内で初のビール醸造所を開き、今年2月には国内外のビール職人が集まった全国大会で部門1位を獲得した。地元産ビールを通じて地域の活性化を目指す。

 多くの古民家が軒を連ねる同市今井町の町並みを抜けたところに、クラフトビール醸造所「FARMENTRY(ファーメンタリー)」がある。

 「ラガー酵母」を使ったすっきりとした飲みやすいラガービールや、「エール酵母」を使った味わい深いビール、さらに天然酵母を使った「自然発酵」のビールがつくられ、現在、ラガーとエールのビールは土・日・祝日には店内で飲むこともできる。

 ここの主の一人が、五條市出身の西崎翔(しょう)さん(34)。兵庫県西宮市出身の奥田亮平さん(35)とともに2023年10月に会社を立ち上げ、昨年10月に醸造所をオープンさせた。

 西崎さんは、地元の高校卒業後に専門学校に通って放射線技師の免許を取得し、新潟大医学部保健学科に入学。このコメどころで酒づくりに魅了された。

ここにしかないビールをつくるために

 卒業後は奈良に戻り、県立医…

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