同性婚が認められないのは「憲法違反」と訴えた訴訟で大阪高裁が2025年3月、「憲法24条に違反」とする判決を出し、高裁段階で5件の違憲判決が出そろった。最高裁の今後の判断に注目が集まるが、憲法24条が活性化している状況をどうみたらいいのか。「同性婚と司法」の著書もある元最高裁判事の千葉勝美弁護士に話を聞いた。
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同性婚を認めていない現行制度が「憲法24条に違反する」という判決が相次いでいます。国会での審議状況や国民的な議論を待つのではなく、この人権侵害状況を速やかに救済する対応が司法には求められているということを表しています。24条にいま光があたるゆえんでしょう。
24条は戦後の日本国憲法で新たに作られた婚姻制度についての特別な規定です。戦前は「家」制度の下、婚姻は当事者の合意だけでは成立せず、戸主の同意が必要でした。24条1項で「家」制度からの決別を宣言し、2項で、1項の理念を生かした立法をするよう国会に求めたのです。
「家族のカタチ」の変化を受け入れる社会
世界を見渡すと、欧州を中心…