20年にわたって活躍して“引退”した大津市消防局の救助工作車(レスキュー車)が、能登半島地震で被災した輪島消防署(石川県輪島市)で“第二の人生”を送ることになった。それは、大津市消防局が輪島消防署に託したバトンのようなものだった――。
救助工作車はクレーンなどが付いた車両で、特別救助隊の隊員らを乗せる。救助隊は一般的に「レスキュー隊」と呼ばれ、総務省令で設置基準などが定められている。
記者(40)は東京消防庁で8年間勤めた。左腕に隊員であることを示すワッペンを付け、オレンジ色の隊服を着た「救助のスペシャリスト」――。そんな救助隊員に憧れ、選抜試験に3、4回挑戦したが、体力も知識も届かなかった。
大津市消防局の救助隊は中、南、北の3消防署にある。選抜試験は行っていないが、隊員らは「精鋭」だという。今回、輪島消防署に引き渡されることになった救助工作車は、南消防署の救助隊員らの“相棒”だった。
元日の地震、横転したレスキュー車
救助工作車が引き渡されるこ…