押収品などを入れたとみられる段ボールを運び出す東京地検特捜部の係官ら=2025年8月27日午後7時6分、茨城県取手市片町の石井章参院議員の事務所、鹿野幹男撮影

 石井章・前参院議員(68)=日本維新の会を除名=の元公設秘書が、「秘書としての勤務実態はなかった」と東京地検特捜部の任意聴取に供述したことが関係者への取材でわかった。この元秘書の給与のほぼ全額が石井氏側に渡り、事務所の経費などに使われた疑いがあることも新たに判明した。

参院議員を辞職

 特捜部は、2021~22年の約1年半の間に国が支払った公設秘書の給与約800万円を、石井氏が詐取した疑いがあるとみており、東京・永田町の参院議員会館にある事務所などを詐欺容疑で8月に捜索していた。

 石井氏は1日、参院議長宛てに議員辞職願を提出し、許可された。

 関係者によると、石井氏側が21年に参院に届けた公設秘書の一人は、石井氏が理事長を務める社会福祉法人の関係者で、石井氏の親族という。

 この元秘書は特捜部の任意聴取に、以前の職場を退職した後に社会福祉法人に採用され、勤務していた経緯を説明。石井氏から公設秘書として名義貸しを求められて応じた、と話しているという。

■事務所経費の支払いに使用か…

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