京都地裁=京都市中京区

 京都市東山区のマンションで2023年12月、住人の男性(当時82)を刺殺したなどとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた元陸上自衛官、水島千翔(ゆきと)被告(22)に対する裁判員裁判の初公判が11日、京都地裁(大寄淳裁判長)であった。水島被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、水島被告は23年12月3日午後8時前、マンションの階段踊り場付近で、住人の岡田好次郎(よしじろう)さんを転倒させて靴底で踏みつけたうえ、背中を包丁(刃渡り約17センチ)で複数回突き刺して失血死させたなどとされる。

 検察側は冒頭陳述で、水島被告が中学時代から「人を殺す気持ちを味わってみたい」と願望を抱いていて、岡田さんを約40回踏みつけ、8回ほど刺して殺害したと指摘した。事件後には「何人殺すと死刑」などとネット検索し、ポケットに包丁を入れてさいたま市をはいかいするなど、「さらに殺害の標的を探していた」と主張した。

 弁護側は、水島被告が任された仕事をこなす想像ができずに焦り、人を殺せば仕事ができなくなると考えたと説明。「強い殺意があったかよく考えていただければ」と訴えた。

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