依存症への理解を深めてもらうための講演会が宇都宮市であり、約1300人が参加した。アルコール健康障害の全国拠点機関である久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の松下幸生院長と、アルコール依存症であることを公表した「TOKIO」元メンバーの山口達也さんが、アルコールを中心とした依存症の実態について語った。
栃木県が主催し、3月22日に開かれた。松下さんの専門はアルコール依存症やギャンブル障害。アルコール依存症は自殺の背景にもなるとし、「隠れ飲み」「幻覚」「趣味などの活動よりも飲酒を優先する」といった診断基準項目を説明した。長期間断酒していても再び飲み始めれば飲酒がコントロールできなくなる再発の危険性についても、警鐘を鳴らした。
対策として、断酒だけでなく減酒もあることや薬を飲んだり、自助グループに参加したりする方法を紹介。家族同士で経験を分かち合い、苦痛の荷下ろしをする「家族会」の意義も説いた。
松下さんは「意志の弱さの問題ではないので、叱責(しっせき)や反省のうながしではよくはならない」と指摘し、「早期に気がついて介入することが必要」と訴えた。
「次飲んだら私は死にます…