主人公の俊樹は、どこまでも妹思いだ。早くに両親を亡くし、親の代わりに妹を育てた。二人の生活のため、高校を中退して町工場で働いた。妹の結婚が決まると、この上なく喜ぶ。絵に描いたような「いい人」に見える。 けれど演じる自身はこう話す。「俳優の仕事は、脚本の中でいい人として書かれている人間を、いい人に…