高校最後の投球をする、桐朋の石畝裕の兄(右)。兄は今、大学で野球を続けている=東京都国立市、石畝さん提供
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 (第106回全国高校野球選手権西東京大会)

 桐朋の主将、石畝(いしぐろ)裕(3年)は悩んだり、壁にぶつかったりしたとき、思い浮かべる光景がある。四つ上の兄、敬(21)の高校最後のマウンドでの姿だ。

 兄も桐朋野球部。練習熱心で甲子園を目指していた。だが、2年生の夏、練習中にボールが頭に当たり、選手生命が脅かされることになった。

 診断結果は、急性硬膜外血腫。またボールが頭に当たれば、深刻な事態になりかねない。医師に、「野球はもうできなくなるかもしれない」と告げられた。

 でも、兄は諦めず、できるこ…

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