(28日、第97回選抜高校野球大会準決勝 横浜5―1健大高崎)
史上4校目となる選抜連覇の夢がついえた。それでも、健大高崎(群馬)は4強入りと爪痕を残した。特に、前回大会のベンチにすら入れなかったメンバーたちの奮闘が目立った。
3学年がそろえば100人近い部員がいる健大高崎は「A(主力)」「B(育成)」「C(新人)」の3チームに分けられる。
週末は3チーム全てが練習試合を組む。土曜日に活躍した選手が、日曜日には上のチームに呼ばれることもある。そうやって部員間がしのぎを削り合い、実戦の場で成長を促すのが健大の強化システムだ。
昨春の選抜を初制覇したメンバー、つまり、当時のAチームはタレントぞろいだった。捕手で4番、主将の箱山遥人(トヨタ自動車)、プロ野球に進んだ遊撃手の田中陽翔(ヤクルト)――。下級生だった石垣元気や佐藤龍月も投手陣の主力として中心にいた。
いま打線の主軸を任されている小堀弘晴、栗原朋希、杉山翔大ら3年生は、当時Bチームだった。杉山は「ずっとAチームと比べられて『弱い』と言われたこともあった」。小堀は昨年の選抜は背番号20で、試合に出られなかった。「先輩たちと戦いたい気持ちもあったけど、一緒に野球する機会はほぼなかった」。それほどAチームの壁は高かった。
昨春の選抜で優勝した直後、Bチーム内では一つの目標が共有された。
「あいつら、ずっと走っていた」
「自分たちの代で秋に群馬で…