中部電力浜岡原発2号機(静岡県)で、国内の商業炉として初めて原子炉の解体が始まった。国内では18基の原発の廃炉が決まっている。老朽化した原発も多く、廃炉に向かう原発は増える見込みだ。廃棄物処分などの課題も抱える作業をどう進めていくべきか。廃炉の事情に詳しい、福井大の柳原敏・客員教授(廃止措置工学)に聞いた。

中部電力浜岡原発2号機で2025年3月17日、原子炉の解体作業が始まり、原子炉圧力容器の上ぶたをクレーンで持ち上げて取り外した=中部電力提供
  • 浜岡原発2号機で原子炉解体始まる 国内初の作業、「大廃炉時代」へ

より高度な技術が必要な「廃炉の本丸」

 ――浜岡原発2号機で原子炉の解体が始まりました。主に4段階に分けられる廃炉工程のうち、原子炉領域を解体する「第3段階」に入ったことは、どういう意味を持つのでしょうか。

 高線量エリアのほとんどは炉心部に集中しています。そこを解体していくのが第3段階です。これまでの周辺設備の解体のように人が入って作業することはできません。

 そのため、遠隔ロボットによる作業など高度な技術が必要になります。これまでとはレベルの違うステージになります。第3段階が廃炉の本丸と言われるのはそのためです。

 ――技術的に解体は可能なのでしょうか。

 国内でも過去に、小型の発電…

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