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2017年、カリブ海を襲ったハリケーン「イルマ」=ロイター

 経済協力開発機構(OECD)は29日、温暖化対策のために先進国が途上国に拠出する資金支援額が2022年に年間1千億ドル(約15兆円)超に達したと発表した。20年までに実現することが国際的に合意されていたが、2年遅れでの達成となった。

 この資金支援は「気候資金」と呼ばれる。これまで、温暖化につながるガスを多く排出してきた先進国が、途上国の温暖化対策を支援するという考えが元になっている。20年までに先進国の支援額を年間1千億ドルに引き上げる約束が09年に交わされ、15年に採択された国際ルール「パリ協定」でも先進国の義務と明記された。

 しかし、20年時点では年間833億ドルにとどまっていた。拠出が遅れたことは、国連気候変動枠組み条約締約国会議「COP」など国際交渉の場で、先進国に対する不信感につながっていた。先進国が対策に積極的な姿勢を見せても、途上国の立場からすると約束が守られていない上での議論になるためだ。

■崩れた信頼は…

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