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「体罰等によらない子育てのために」を案内するこども家庭庁のウェブサイトのQRコード

 岐阜県内に5カ所ある県子ども相談センター(児童相談所)が2024年度に対応した児童虐待の相談件数(速報値)は2982件(前年度比9.4%増)で、過去最多を4年連続で更新した。県がまとめを発表した。15年前の09年度(450件)に比べ、6倍超となっている。

 増加傾向が続いていることについて、県子ども家庭課は「警察や学校、医療機関などとの連携が進んだ。事案が重篤になる前に連絡をいただけると、早く対応に入ることができる。また、子どもへの不適切な対応への理解が進んできていることが背景にあるのではないか」と説明する。

 児童虐待は、身体的虐待(殴る、蹴る、激しく揺さぶる、拘束するなど)、性的虐待(子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る・触らせる、ポルノグラフィーの被写体にするなど)、ネグレクト(家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、病院に連れて行かないなど)、心理的虐待(言葉による脅し、無視、子どもの前で家族に暴力をふるうなど)の4種類に分類される。相談や通告は対応ダイヤル(189か0120・189・783、いずれも通話料無料、24時間365日対応)へ。

 県のまとめでは、最も多かったのは心理的虐待で1617件(54.2%)。次いで身体的虐待の983件(33.0%)、ネグレクトが340件(11.4%)だった。269件で一時保護をしたという。

 虐待を受けた年齢は、9歳から12歳未満が572件(19.2%)、6歳から9歳未満が553件(18.5%)、12歳から15歳未満が533件(17.9%)。虐待をしていた主な人物は、実母が1295件(43.4%)、実父が1294件(同)だった。

 相談は、警察などを経由するケースが972件(32.6%)で、学校が585件(19.6%)、市町村が521件(17.5%)だった。

 こども家庭庁は「体罰等によらない子育てのために」と題した案内をウェブサイト(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/taibatsu)=QRコード=に掲載している。

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