大勢の歯科技工士たちが分業して、一つずつ異なる入れ歯をつくる=2025年5月7日、相模原市南区の近藤義歯研究所、三木一哉撮影 「これだけ多くの人が今、満足な食事もできず、完成した入れ歯が届くのを待っているんです」 工房に並ぶ製作中の義歯、入れ歯、歯科医院に配送する完成品を前に、近藤義歯研究所の近藤太社長(56)が言う。自身も歯科技工士だ。 歯科技工士は、歯科医の指示書にしたがって、入れ歯、歯のかぶせ物・詰め物、矯正装置などの作製や加工、修理をする専門職だ。 強みはデータにあり 近藤社長は入れ歯で苦労して…