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新たに3人の女性企業家の展示が始まったあいち創業館。テーブルに映し出されるアイコンに触れると、企業家のプロフィールなどが表示される=2025年3月28日、名古屋市中区のあいち創業館、伊藤舞虹撮影
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 愛知県にゆかりのある産業偉人を紹介する「あいち創業館」(名古屋市)で、新たに3人の女性企業家の展示が始まった。同館をめぐっては昨年、当初の計画で展示対象となった54人全員が男性だったことに市民から問題提起があり、県が女性の追加展示に向け作業を進めていた。

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 女性企業家の展示は、昨年11月の開館当初から展示されている1人を含めて計4人となった。

 新たに展示されたのは、全国初の総合結婚式場を開業した「レクスト」創業者の牧野志げ子氏、東海地方最大の繁華街・栄で名古屋三越が入居する「オリエンタルビル」を創業した平松さわ氏、学校法人安城学園を創設し、農村地帯の女子教育の拡充に尽くした寺部だい氏の3人。

 あいち創業館の中心に設置された「偉人との出会いゾーン」で、テーブルに映し出されるアイコンに触れると、企業家の功績や「人は誰でも無限の可能性を持っている」(寺部氏)といった名言が表示される。

 県は女性企業家の展示について現在の4人のほか、2人を展示することを決めており、準備が整い次第順次展示する。2025年度中にもさらに追加する方向で検討を進めているという。

 当初の展示対象者が男性だけだったことについて県に問題意識を伝えた名古屋市の小笹千聡さん(51)は3月末、同館を訪れて追加展示を見てまわった。「まだジェンダーバランスの偏りが解消されたわけではないが、県が展示の見直しに動いてくれたことには希望が持てる。愛知で活躍した女性はたくさんいるので、今後もぜひ展示に加えていってほしい」と話した。

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