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高浜原発1号機(手前)と2号機=2024年11月8日、福井県高浜町、朝日新聞社ヘリから、筋野健太撮影

 最長60年と定められた原発の運転期間を、さらに延ばすことができる新制度の運用が6日から始まる。再稼働に向けた審査などで止まっていた期間を、原発の寿命に「上乗せ」するものだ。原発の新増設が進まないなか、動かせる原発は少しでも長く使うねらいだが、60年を超えて動いた原発は世界でも例がなく、安全性を担保できるのかが問われる。

 原発の運転期間は2011年の東京電力福島第一原発事故を機に、原則40年、原子力規制委員会が認めれば最長20年間延長できると定められた。

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 新制度では、60年の上限は維持しつつ、規制委の審査や裁判所の命令、行政指導などで停止した期間を、運転期間のカウントから除けるとした。除外期間が10年なら最長70年間動かせることになる。たとえば、関西電力高浜原発2号機(福井県)は11年11月に定期検査で止まり、その後の審査も含めて約12年止まったため、運転開始から72年後の2047年ごろまで動かせる計算だ。

 東日本大震災時に動いていなかった原発は、11年3月11日が除外期間の始点となる。除外期間が10年以上の原発は24基とみられ、全国で「超老朽原発」が続出しそうだ。

 ただ、電力会社が起こした問…

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