北海道内全域を管轄する札幌国税局は9日、清酒の品質評価を行う「2023年度新酒鑑評会」の結果を公表した。全国でも同局だけが審査している、あまり削っていない「軽精米」で醸造した「軽精米ゴク味酒の部」には7点の出品があり、今年から新たに授与が始まった金賞を2点が受賞した。
金賞を受賞したのは、田中酒造(小樽市)と上川大雪酒造緑丘蔵(上川町)が出品した2点。
削る割合を少なくした米で醸造した清酒のコクのある酒質が外国人にも好まれることや、軽精米の製造技術には改良の余地があることから、同国税局は20年度に同部を設立。審査方法の検討など3年間の試行期間を経て、今年度から金賞の授与を始めた。
金賞を受賞した上川大雪酒造の小岩隆一・杜氏(とうじ)は軽精米の部門ができたことを評価する。「一生懸命に作ってくれた米を無駄なく使いたい。いかに削らずにするかと考えている」と話す。
鑑評会は酒造技術の進歩や発展を促し、品質向上を図ることなどを目的に開催され、今回は「道産米吟醸酒の部」など4部門で103点が出品された。(古畑航希)