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桃の出来栄えを確認する山本喜代宏さん=2024年9月9日午後1時37分、秋田県鹿角市、阿部浩明撮影

 全国で最も遅く市場に出回る秋田県鹿角市の「かづの北限の桃」の収穫がピークを迎えている。出荷時期がずれるため贈答品としても人気が高く、首都圏のほか香港やシンガポール向けにも出荷されている。

 山本喜代宏さん(68)の果樹園では、たわわに実った大ぶりの桃が枝をしならせている。主力品種の「川中島白桃」など12品種を育て、9月下旬まで順次収穫する。

 今年は春先の気温が高かったため、収穫は例年より1週間以上早まったという。柔らかくなりすぎて商品価値が落ちないよう、もぎ取るタイミングを見極め、妻の文子さん(68)と力をあわせながら「短期決戦の作業」が続く。

 かづの北限の桃は、昼夜の寒暖差を生かした栽培により、糖度が高いのが特徴。ブランド化を目指して2003年に商標登録された。

 JAかづのによると、市内の栽培農家は122戸。生育が順調な今年は、昨年より多い集荷量約340トン、販売額約1億6千万円を見込んでいる。(阿部浩明)

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