4月28日にあった、しんじょう君の「お誕生日会」を終えた新入社員(前列)ら。後列は守時健社長(左)と先輩社員=2024年4月28日午後1時28分、高知県須崎市内、蜷川大介撮影
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 ゆるキャラグランプリでの優勝経験もある「しんじょう君」の「通訳」を務めてきた元高知県須崎市職員、守時健さん(38)が作った会社が、設立4年で社員150人を超えた。

 営業所は全国18カ所に増え、東京・銀座にもオフィスを構える。

  • 「しんじょう君」の会社が急成長 市職員から起業した社長が思うこと

 守時さんは地元の須崎市役所に就職してまもない2013年、財政破綻(はたん)寸前だった市をPRしようと、ゆるキャラ「しんじょう君」を生み出した。「通訳」としてイベントに付き添った。

 可愛い姿、がんばらない性格、ユーモアたっぷりのSNS発信などで人気となったしんじょう君は、ゆるキャラグランプリ2016で優勝した。

 守時さんが市役所を辞めて起業したのは2020年春だ。

 しんじょう君で知名度を上げた市のふるさと納税寄付額は年間200万円から20億円超にまで伸びていた。この勢いを、人事異動などで止めたくなかった。社名は英語でパンクチュアル(時間を守る)とした。

 すると他自治体からも、ふるさと納税の寄付集めに協力を要請された。静岡県沼津市、山口県下関市、岩手県大船渡市、滋賀県竜王町、千葉県銚子市、三重県志摩市……。

 例えば、沼津市では製紙工場と相談し、1万円の寄付でトイレットペーパー108ロールを返礼品にした。

 「そんなに大量に送って大丈夫ですか?」と驚かれたが、たちまち人気の返礼品になった。

 守時さんの目線はいま海外に向いている。

 「ふるさと納税もECもいまのところ内需。例えばNYはものがすごく高く売れるので、NYの飲食店に日本のものを売りたい。ヨーロッパや台湾にも。いまはそこに一番力をいれています」(蜷川大介)

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