山形県

 山形大が今秋、県内外の高校生が受けられ、単位の「先取り」もできる理学部の科目「サイエンスセミナー」を開講する。大学の学びにふれ、進路の選択肢に入れてもらうのが狙いで、ひとあし先に数学や理科を深く追究したい意欲的な高校生を募っている。

 授業で単位を取った生徒が将来、山形大の理学部に入学すると、卒業に必要な単位として認定される。山形大によると、高校生が大学の授業を受けられる履修制度は各地の大学で広がっているが、全国の高校生を対象にした科目の設置は東北では初めてという。

 サイエンスセミナーは、数理科学(数学、データサイエンス)や自然科学(物理学、化学、生物学、地球科学)について、数学Ⅰ、Ⅱや理科基礎の高校生レベルの知識をいかしながら、さらに深く追究していく科目。「きれいな岩石や鉱物に記録された地球の歴史を読みとる」「暮らしを進化させる半導体技術と次世代の半導体材料」「全てを想定する:ゲームの数学」などのテーマで、理学部の教員12人が1回ずつ受け持つ。

 10~12月の毎週金曜日の夕方、80分の授業がある。理学部の教室のほか、オンラインでも受けられる。大学生向けの内容を理解できる学力があることが受講の条件で、参加には在籍校の校長の推薦が必要。計12回の授業を8回以上受け、毎回課題を出す。合格すると、理学部の卒業に必要な単位が1単位取得できる。

 8日の会見で、理学部教育担当の富松裕教授は「まずは高校生に理学部でどんな学びができるのか知ってもらい、大学受験時の選択肢にしてもらえたら」。玉手英利学長も「早期に大学の授業を受けることができれば、大学を早く卒業できる可能性もある。学びの多様性の一環として導入し、今後は他学部にも取り組みが広がることを期待する」と話した。

 受講料は5500円で、応募締め切りは8月6日。詳細はホームページ(https://www.sci.yamagata-u.ac.jp/science-seminer/)で。

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