栃木県教育委員会は29日、文部科学省が4月に実施した「全国学力・学習状況調査」の県内公立学校分の結果を発表した。小学6年国語、中学3年国語・数学で全国平均を上回ったが、小学6年算数は下回った。
県内の公立学校に通う小学6年生1万4899人(337校)、中学3年生1万4581人(156校)が対象。国語、算数(数学)の2科目で4月18日に実施した。
科目別の正答率では、中3の数学は「数と式」「図形」の領域で全国平均を上回るなど、出題方式が変わった2019年度以降、初めて全国平均を超えた。一方で小6の算数は、速さ、時間、道のりの関係を問う「変化と関係」で全国平均を大きく下回るなど「特に課題が見られる」(義務教育課)結果となった。
また、「授業内容はよく分かるか」との質問に「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた子どもの割合は小6、中3ともに全科目で全国平均を上回った。
「先生はあなたのよいところを認めてくれていると思いますか」との質問に「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した子どもの割合も、いずれの学年も全国平均を上回った。
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県独自の「とちぎっ子学習状況調査」も同じ日に実施された。
小4と小5、中2の計4万4641人(494校)が対象。小4と小5は国語、算数、理科の3科目、中2は国語、社会、数学、理科、英語の5科目。平均正答率が65%を超えたのは、小4の国語と理科だった。
調査では、1日(平日)にゲーム(携帯電話やスマートフォンを使うものも含む)をする時間も聞いた。近年、増加傾向が続いており、特に「4時間以上」と回答したのは、小4が15.1%(前年度と同じ)、小5が16.6%(前年度比0.8ポイント増)、中2が15.4%(同1ポイント増)だった。
一方、ゲームを「全くしない」「時間が少ない」と回答した児童・生徒は、各テストでの正答率が高かった。学年が上がるほど傾向は顕著で、中2数学での正答率は「4時間以上」が35・4%だったのに対し、「全くしない」は59・9%、英語ではそれぞれ32・8%、57・2%だった。(重政紀元)