第78回全国茶品評会(全国茶生産団体連合会など主催)で、嬉野市の「うれしの茶」が蒸し製玉緑茶の部と釜炒(い)り茶の部の2部門で、個人の最高賞と優れた産地に贈られる産地賞を、それぞれ2年連続でダブル受賞した。2日には、同市のうれしの茶交流館チャオシルで受賞報告会があった。
品評会は、8月27~30日に静岡市の静岡茶市場で開かれた。8部門に計787点が出品され、産地や生産者などを隠し、外観や香気、水色、滋味の4項目が審査された。蒸し製玉緑茶の部の白川稔さん(49)=碇石銘茶研究会=と、釜炒り茶の部の吉牟田敏光さん(66)=嬉野南部釜炒茶業組合=が、それぞれ個人に贈られる最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。
うれしの茶が、両部門の個人の最高賞と産地賞の4冠を制覇するのは、11年ぶりだった昨年に続き、2年連続。蒸し製玉緑茶の部では、上位5人の全員、釜炒り茶の部では、上位5人の3人が嬉野市の生産者だった。
村上大祐市長は「我々も日本一のお茶の産地であることを広く知らしめるために汗をかいてまいりたい」と話した。2026年には、佐賀県で全国お茶まつりが開催されることから「きらりと光る産地として次の世代にバトンタッチしていくべく、弾みをつけて頑張ってまいりたい」とお祝いの言葉を述べた。
白川さんは「日々の畑づくりなどにもっと精進していきたい」。今年は祖父の創業から100年になる。「記念の年にこのような素晴らしい賞を取らせていただき、ありがとうございます」と話した。吉牟田さんは「釜炒り茶の部は6年連続の受賞で何とかたすきをつなげた。うれしく思っています。まだまだ連続受賞が続くように皆さんと一緒に頑張ってまいりたい」と受賞の喜びを語った。(三ツ木勝巳)