洋上風力発電について、武藤容治経済産業相(右)に要望書を手渡した全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長=2025年9月1日午後、東京都千代田区、新田哲史撮影

 三菱商事が千葉県と秋田県の3海域での洋上風力計画から撤退したことを受け、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長が1日、武藤容治経済産業相と面会し、「地域に混乱が生じないよう国が責任をもって対応してほしい」と求めた。3海域について「速やかに事業者を再公募してほしい」と語った。

 武藤氏にこの日提出した要望書で全漁連は、各地の漁業者が洋上風力建設に向けた調整に協力してきたとした上で、「(三菱の撤退は)当該関係漁業者のみならず、真摯(しんし)に向き合っている全国の関係漁業者に不安や疑心暗鬼を起こしかねない事象だ」と指摘した。

 坂本会長は、三菱が計画していた海域の一つの、千葉県銚子市の漁協の組合長でもある。武藤氏との面会後、「撤退するなら撤退するで、しっかり我々との間で問題が起きないようにしてもらわないと、こういう事業は日本ではできなくなるんじゃないか。まさに勝負どころだ」と話した。

共有
Exit mobile version