お別れの会では八代亜紀さんの「だいじょうぶ」を参加者全員で合唱した=2024年2月29日、熊本県八代市、今村建二撮影

 2023年に亡くなった歌手・八代亜紀さんの「ヌード写真」をつけてCDを発売すると予告していた鹿児島市のレコード会社が、このCDの販売を開始したことを明らかにした。大手の通販サイトやCD販売店は発売を中止しているが、同社はホームページで、顧客に直接発送するなどと説明している。

 CDの販売をめぐっては、八代さんの尊厳を傷つけるものだとして批判が広がっていた。「リベンジポルノを阻止する」としたオンライン署名には、28日までに8万4千人以上が賛同。八代さんの生前の所属事務所から継承した著作権や肖像権を管理する会社も「極めて不愉快な出来事であり、絶対に許すことのできないもの」との声明を発表していた。

 レコード会社の代表は4月14日、朝日新聞の取材に「契約書があり、法律には違反していない」などと主張していた。その後は取材に応じていない。

 八代さんの出身地の熊本県や同県八代市にも、全国のファンらの声が届いている。メールや電話で寄せられた意見の中には、「販売中止に向けて働きかけてほしい」というものもあったという。

 熊本県の木村敬知事は4月16日の記者会見で「不愉快で許しがたい行為だ。販売は中止すべきだ」とCDの発売を批判。八代市の中村博生市長も同月17日、「(八代さんの)名誉を傷つけ、愚弄(ぐろう)するかのような行為は許しがたい。プライベート写真の利用は中止すべき」だとするコメントを発表した。

「死後も権利があるとみなされれば…」

 故人の肖像やプライバシーは…

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