八千代市の魅力や新しい政策について話し合う高校生=2025年8月12日、千葉県八千代市、若井琢水撮影

 千葉県八千代市役所で12日、高校生が町のにぎわいづくりをテーマに政策立案を体験するワークショップ(WS)が開かれた。市内6校の生徒14人が参加し、新たな観光資源の発掘と、市中心部を流れる新川をいかした魅力発信の手法を議論。それぞれのアイデアをひとつの政策にまとめ、服部友則市長にプレゼンした。

 自分たちが暮らす町の課題を分析することで、地域の魅力を再発見してもらうなどの狙い。全国で同様のWSを開く公益財団法人・国際文化会館政策起業家プラットフォームの提案を受け、初めて実施した。

 同市の観光振興計画によると、課題は観光資源が乏しく、PRも足りていないこと。生徒たちは3班に分かれ、スマートフォンで他自治体の先行事例を調べたり、それぞれが見聞きした情報を共有したりして課題解決のアイデアを出し合った。

 秀明八千代高1年の牛島恵利奈さん(16)らが提案したのは、1枚で市内の名物や観光名所を楽しめる「八千代満喫きっぷ」。切符を1枚買えば市内のバスが乗り放題で、京成バラ園や梨狩り、名産の梨を使った「八千代カレー」などを楽しめる企画だ。

 神奈川・三浦半島に遊びにいった姉から評判を聞いた「みさきまぐろきっぷ」を参考にし、オススメの観光スポットを巡れるようプランを練った。夏場に観光客が集中するのを防ぐため、果物狩りはシーズンが終わったら工場見学に切り替えるなど、四季に応じてプランを変えるのもポイントだ。

 その他の班は市イメージキャラクター「やっち」のSNSで、市の魅力を紹介するショート動画を発信したり、新川沿いに釣り堀と魚の展示施設を作ったりすることなどを提案。服部市長は「ベッドタウンとして人口が増えてきたが、昼間人口の少なさが課題。自由な発想で提案してくれたことを、これからのにぎわい創出に生かしていきたい」と語った。

 WSに参加した八千代高3年の赤城千代さん(17)は、「佐倉市出身だけど、高校3年間通って八千代が大好きになった。八千代カレーや新川沿いのラーメン屋など知らないことを知ることができておもしろかった」と話した。

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