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能代松陽―八戸学院光星 七回、八戸学院光星の米沢の適時内野安打で田中楓(右)が勝ち越しのホームイン=2025年6月13日午後3時10分、ヤマリョー、小田邦彦撮影
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 第72回春季東北地区高校野球大会の準決勝2試合が13日、山形県中山町のヤマリョースタジアム山形であり、八戸学院光星(青森2位)は能代松陽(秋田1位)に12―6で逆転勝ちした。14日の決勝は、2年ぶり3度目の優勝をかけて、仙台育英(宮城1位)と戦う。

 八戸学院光星は1点を追う七回、打者一巡の猛攻で7点を挙げて逆転。八回にも2点を加えて逃げ切った。

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 「流れは守りから」。その言葉を体現したのが八戸学院光星の3番手投手・平良竜之介選手だった。

 1点を追う七回、仲井宗基監督から「強気でいけ」と送り出された。能代松陽は1番からの好打順。一方で自分の実力は「(ベンチ入りの中の投手では)一番下」と平良投手。でも、気後れなどしなかった。最初の打者を二直で打ち取ると、次の打者は一ゴロに抑えた。3人目は左飛に。「気持ちよかった」というこの回の投球はわずか7球。仲井監督が「よく3人で抑えてくれた」とたたえる投球だった。

 チームの流れは変わった。その裏に逆転、平良投手も2点適時打を放った。投打でチームを勝利に導いた。

 一方、反省点もあった。八回は2四球を与えるなどで2点を失った。「気持ちが空回りした」と平良投手。この点は、仲井監督も「自分に負けていた」と手厳しかった。

 沖縄県出身。「甲子園でいつも活躍する光星に行きたくて」と、遠く離れた八戸にやってきた。初めて見た雪に驚いたこともあったが、今では気にならなくなった。

 3年生。夏は集大成となる。「甲子園に行く」。背番号「16」は、少しはにかみながら、宣言した。

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