第72回春季東北地区高校野球大会の決勝が14日、山形県中山町のヤマリョースタジアム山形であり、八戸学院光星(青森2位)は仙台育英(宮城1位)に2―7で逆転負けし、2年ぶり3度目の優勝はならなかった。仙台育英は8年ぶり13度目の優勝。
八戸学院光星は二回に2四死球で得た好機に適時打が出て2点を先取。しかし、その裏に3点を奪われて逆転されると、以降も着実に加点され突き放された。打線も散発4安打に抑えられた。
喜びもほろ苦さも。八戸学院光星の187センチ右腕・北口晃大(あきひろ)選手(2年)には、そんな思いが残る決勝だった。
喜びは、打撃だった。二回表、8番打者が1死から犠打で送り、2死二、三塁の好機。スライダーを振り抜き、中堅へ2点適時打を放った。打順は9番だが、「打撃は得意」。一塁上では、右手の人さし指を突き上げ、うれしさを隠さなかった。
ほろ苦さが残ったのは、期待されていた投球だった。長身を生かした角度のある投球に加え、最速140キロの直球もある。試合前、仲井宗基監督も決勝のキーパーソンにあげていた。
適時打を放った後の二回裏だった。「ヒットを打って、気が緩んだわけではないんですが」。簡単に2死を取ったものの、7番に左翼線二塁打を浴びると、そこから連打を許して3点を失った。「気持ちで負けた」。結局、5回を投げて、9安打を打たれて4失点。悔いが残った。
この日のキーパーソンでもあったが、夏の甲子園をかけた戦いのカギを握る選手でもある。春の県大会は準優勝だったが、北口選手の姿はベンチになかった。右ひじを痛めていたからだ。今大会で実戦に復帰した。決勝は敗れたが、「けがをする前と同じぐらい投げられていた」。収穫はあった。
青森大会まであと1カ月。成長させるべきポイントとして挙げたのは「連打された時の打ち取り方」。この日の敗戦を糧にする。