怪談で有名な作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と妻セツにゆかりがある島根と熊本にちなむ日本酒が誕生した。企画した酒造会社の担当者、使われた酵母も、八雲夫妻と同様、島根と熊本に深いつながりがあった。
ギリシャ生まれの英国人ハーンは1890年8月、島根県尋常中学校、師範学校の英語教師として松江市に赴任。ハーンのつづりから「ヘルンさん」と呼ばれて親しまれた。91年11月、ハーンの熊本市の第五高等中学校への転任に伴い、夫妻で熊本へ移住。96年に結婚と日本国籍が認められ、ハーンは小泉八雲に改名した。
今回の日本酒「思ひ出のへるん」を醸造したのは、松江市の老舗酒造会社・米田酒造だ。企画した原健太さん(30)は熊本市出身で、日本各地を旅する中で、「隠れた魅力がたくさんある」と感じた松江市に2022年に移住。23年4月に米田酒造に入社した。
偶然にも八雲夫妻と同様に島…