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リンゴ並木で地元の中学生から説明を受ける天皇、皇后両陛下(当時)=2016年11月、長野県飯田市
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 天皇陛下をはじめ、皇族方の活動や皇室に関連する出来事を過去にさかのぼって紹介する「皇室365」を始めました。皇室のあり方が問われる中、公務や宮中行事などのトピックを毎週、担当記者が詳しく読み解きます。

■4月15日(2013年)天皇、皇后両陛下(当時)が私的旅行

 2013年のこの日、天皇、皇后両陛下(当時)が私的な旅行で長野県千曲(ちくま)市を訪れた。多忙な公務が続いていたお二人にゆっくり静養してもらおうと、側近らが初めて企画した。

 当時、お二人は「満身創痍(まんしんそうい)」(宮内庁幹部)の状態だった。天皇陛下は前年2月に心臓手術を受け、美智子さまは首の痛みを抱えながら、ほぼ休みのない日々。そこで、全国各地にある季節ごとの風景や自然を楽しみ、くつろいでもらおうと、側近らが旅行を提案して実現したものだった。

 昭和天皇も天皇陛下と同じ79歳だった1980年の箱根旅行をはじめ、各地に私的にでかけた。結婚60年の節目となる1984年には、千葉・南房総を旅行し、鴨川市の太海(ふとみ)フラワーセンターなどに立ち寄った。

 長野旅行の目的は、「あんずの里スケッチパーク」(千曲市)でのアンズの花観賞。園内に咲くアンズの花を見て回り、アンズ農家の男性から栽培の歴史などを聞いた。春先が暖かかった影響で、すでに多くの花が散っていたが、冷蔵保存した満開のアンズの花が懇談の場に飾られ、美智子さまは「よく咲かせて頂きました」とうれしそうな様子だった。

 私的な旅行はその後も計画さ…

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