ジャメル・ブイ
ドナルド・トランプ大統領にとって、米国は私的な遊び場にすぎない。フロリダ州にある彼の別荘「マール・ア・ラーゴ」が全国規模になったようなものだ。
彼の頭の中では、国家はもはや彼の私有財産であり、好きに扱う権利があると思い込んでいる。したがって、彼には国民への義務や責任という感覚が欠けているようだ。彼の混沌(こんとん)とした場当たり的な政策決定(それを政策と呼べるかさえ疑問だが)は、米国民に対するこれ以上ないほどの侮辱である。
考えてみてほしい。自らの保護下にある人々、そして世界で最も権威ある地位を託してくれた人々の命をどれほど軽視していれば、破滅的な関税で彼らの生活を壊し、彼らの子どもたちを他国に攻め込ませるようなことができるのだろうか。それも、テレビ映えすると思ったからという理由でだ。
ジョン・F・ケネディ元大統領は「国があなたのために何ができるかではなく、あなたが国のために何ができるかを問え」と演説した。だが、トランプはこう言うだろう。「国のために何ができるかではなく、私のために何ができるかを問え」と。
実際、大統領の責任軽視の姿勢、そして共和制の美徳のかけらすらない態度は、民主的な説明責任の完全な拒否と、絶対的な免責の主張というかたちで表れている。場合によっては、それが最高裁からも支持されている。
■マスク姿で移民を拘束する捜…