公園の中に突如、不思議な風景が現れた。斜めに突き刺さったかのような迷路、カラフルな屋根と壁を持つ建物。敷地に平らな場所はなく、順路もない。滑りにくい靴で来ることが推奨されていて、「日本一危険な公園」と紹介されることもある。

芸術作品の垂直線に合わせてカメラを傾けながら撮影すると平衡感覚が混乱する=2025年6月5日、岐阜県養老町、小玉重隆撮影 ©1997 Reversible Destiny Foundation. Reproduced with permission of the Reversible Destiny Foundation

【撮影ワンポイント】養老天命反転地

 平衡感覚や遠近感を混乱させる仕掛けが随所に施された「日本一危険な公園」。カメラのファインダーから芸術作品をのぞき見ると、水平と垂直の感覚が狂ってしまう。いっそのこと、バランスを失うことを恐れるより、楽しもう。きっと、新しい感覚で世界を捉え直せるはず。斜面が多いので、歩きやすい服装で(小玉重隆)

  • 【特集】いいね!探訪記

 養老天命反転地は国際的アーティストの荒川修作とパートナーの詩人マドリン・ギンズがつくりあげた。名前には、全身を使って身体感覚を刺激し、平衡感覚を取り戻すことで、死という天命を反転させるという作者の考えが反映されている。

 天井にぶら下がったように見えたり、大きな穴から飛び出したように見えたり。ユニークな写真を撮りに若者たちが訪れ、テレビのロケに使われることも多い。最近はウェディングフォトの撮影地としても人気だ。

 中はいくつかの施設とゾーン…

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