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新商品を手にする本長の本間光太郎社長(中央)と東北公益文科大の学生ら=2024年10月23日、山形県酒田市

 【山形】東北公益文科大(酒田市)の学生らと、鶴岡市の老舗漬物メーカー「本長」が産学連携で開発した新商品が11月中旬に発売される。学生らが発案して本長に商品化を持ちかけ、試作品のモニタリング調査に協力。レシピ動画も作成し、PRにも力を入れる。

 新商品は「漬物屋本気の味噌(みそ)生姜(しょうが)タレ」。大きめにカットした生姜を伝統の技で味噌漬けにしており、生姜味噌の高い香りが特徴。唐揚げや焼きナス、焼きおにぎり、豆腐など幅広い食材の味を引き立てるという。

 今回の商品化は、同大地域産業活性化研究所所長を務める広崎心准教授のゼミ活動の一環。ゼミでは学生がやりたいプロジェクトをそれぞれ提案し、地元企業と連携して実現をめざしている。

 今回は学生の「漬物のタレもおいしいのに、余るともったいない。何かに使えないか」との発想が始まりだった。これに本長の「漬物の消費量が減る中、何か新しいものをつくりたい」との思いが重なり、今春から商品化に向けて動き出したという。

 開発段階では、最終的に生姜の味噌漬けと、無臭にんにくのたまりづけの2種類を試作。ゼミの学生や知り合い、家族などを対象にモニタリング調査を行い、香りや味がより好評だったものを商品化した。

 商品化を発案した3年生の五十嵐舞さん(20)はタレを使う料理のレシピ動画も作り、「素材の味を生かすおいしい商品に仕上がった」。一緒に活動した佐藤凜さん(20)は「タレにどんな食材が合うのか考えるのが大変だったが、開発に関われて感謝です」と話した。

 本長によると、学生の立案による商品化も、タレや調味料を商品化するのも初めて。本間光太郎社長は「今後は漬物の技術を応用した新たな派生商品ができればいい」などと話した。

 新商品は1個170グラム入りで税込み972円。本長本店や庄内観光物産館、地元スーパーなどで販売予定。問い合わせは本長(0235・33・2023)。(清水康志)

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