兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦氏が19日、約1カ月半ぶりに知事に就任した。斎藤知事の2期目の県政がスタートしたが、失職に追い込まれる理由となった内部告発問題が目の前には横たわったままだ。告発後の斎藤氏や県の対応が、公益通報者保護法に違反する疑いもあると指摘される。一方、国は通報者保護の対策強化を検討している。
斎藤氏は19日午後の就任会見で、内部告発問題へのこれまでの対応について「適切かつ法的にも問題ない」との主張を改めて示した。県議会の調査特別委員会(百条委員会)では、保護法の観点から斎藤氏への尋問が予定されているが、「従来通りの考えを伝えさせてもらう」とした。一方、兵庫県の対応を念頭に、公益通報制度を所管する消費者庁が対策強化を検討していることについては、当選翌日18日の報道各社の取材に対し「そこは国が議論、検討していくということだと思う」と述べた。
斎藤氏をめぐる内部告発は3月、兵庫県の元西播磨県民局長(当時60)が匿名で行い、斎藤氏の県職員に対するパワハラや物品の受け取りなど「七つの疑惑」を挙げた。斎藤氏はほどなく告発の存在を把握すると、片山安孝副知事(当時)らに対し、告発者が誰なのかを特定し、調査するよう指示した。3月下旬の記者会見では、文書の内容を「うそ八百」と表現し、月末で退職予定だった元県民局長の人事を取り消したと発表。「公務員失格」などと非難した。こうした対応は、公益通報者保護法が禁じる「通報者捜し」や、告発者に対する「不利益な取り扱い」に該当する疑いがあると指摘される。
「不利益な取り扱い」指摘する識者も
また、斎藤氏は自身らに向け…