静岡県沼津市内の小学校でも、老朽化により学校のプールでの授業がなくなった=2025年3月14日午後4時13分、静岡県沼津市、南島信也撮影

 全国の公立中学校で、必修である水泳の実技授業を取りやめる動きが相次いでいる。熱中症リスクやプールの老朽化などに加え、肌の露出を避けたい思春期の生徒への配慮も理由に挙がる。工夫しながら続ける学校もあり、専門家は「水難から命を守るために実技は必要」と訴えている。

 岩手県滝沢市は新年度から、市立中学全6校でプールを使った水泳の実技指導を取りやめる。近年の欠席者の増加や生徒への配慮が理由という。

 市教育委員会によると、コロナ禍以降、体調不良を理由にプール授業を欠席する生徒が急増。大規模校の一つは、2023年度の欠席者の割合が36%に上ったという。

 コロナ禍以降は、児童生徒の健康面への配慮から、体調不良の申し出を「一層尊重する」ことが求められてきた。プール授業でも、学校現場では「無理はさせない」対応が増えているという。

求められる「多方面への配慮」

 加えて、男女両方から「肌を…

共有
Exit mobile version