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カラーボールを打つ宮国七海選手=2025年4月23日、名古屋市西区の名古屋西高校、松本敏博撮影
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 愛知県立名古屋西高校(名古屋市西区)に、公立では中部地方唯一の女子硬式野球部がある。この春、新入生の入部でメンバーは13人に。夏の全国選手権大会に挑むために必要な人数がそろった。初の公式戦に向け、練習にも熱がこもる。

「好きな野球、諦めていたけど」

 「スパーン!」。校庭の投球練習場で、エースの宮国七海投手(2年)が腕を振る。低めのボールが捕手のミットに収まると、硬球ならではの乾いた音が響いた。

 2024年創部で、初年度に入部した現2年生は5人。他校と合同チームを組んで練習試合を積んできたが、公式戦はできなかった。そこにこの春、新入部員の1年生8人が加わり、全国選手権の参加条件である11人を超えた。

 13人のうち、ソフトボール経験者の5人以外は、高校で初めてバットを握ったメンバーだ。週4日、グラウンドでフリー打撃やノックに汗を流す。創部に尽力した宮河(みやがわ)龍之介監督(26)は「ここまで女子野球部に需要があるとは予想していなかった。これまで野球をしたことがない子たちが白球を追っているというだけで、ミラクルな光景ですよ」と話す。

 宮河監督は、高校時代は男子の強豪・栄徳(愛知県長久手市)で投手や一塁手としてプレーした。「指導者として野球人口の減少を食い止めたい」と保健体育の教諭になり、23年に初めて赴任したのが名古屋西だった。

 当時活動していた野球部は男…

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