兵庫県庁

 兵庫県の内部告発文書問題で、告発者の元西播磨県民局長(故人)の公用パソコンの中身とされる画像などがSNSで拡散されたことを受け、情報漏洩(ろうえい)の経緯などを調べた県の第三者調査委員会は13日、調査結果の一部を公表した。拡散された情報について、県が保有する情報と同一だと認定する一方、誰が漏洩したかは究明できなかったと結論づけた。これを受け、県は同日、県警に地方公務員法違反(守秘義務違反)容疑で告発状を提出するという。

 第三者委は、「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏らが昨年11月29日以降、元県民局長の公用パソコンに保存されていた私的情報とされるデータをSNSで拡散したことをきっかけに、斎藤知事が設置を表明。今年1月から調査を進めてきた。

 県は第三者委に対し、県が告発者を元県民局長だと特定する過程などを報じた「週刊文春電子版」の記事についても調査を依頼していた。第三者委はこれらも同様に漏洩した者は究明できなかったとし、県は県警に地方公務員法違反(守秘義務違反)容疑で告発するという。

 調査報告書によると、調査の対象としたのは①昨年8~9月に週刊文春電子版が配信した6本の記事と、②元県民局長の公用パソコン内の私的情報とされるデータを示した立花氏ら2人による計4件のSNSへの投稿や動画。

 調査は2段階で実施。第1段階で、SNS上の情報が県が保有する情報と一致するかどうかと、情報の外部への持ち出しが通報者への不利益な取り扱いが禁止される「公益通報」に当たるかどうかを検討。①②のいずれについても県の情報と同一だと認定し、公益通報には該当しないと結論づけた。

 第2段階の調査では、関連する職員らのパソコンの操作履歴やメール履歴などを調べた結果、セキュリティーシステムに脆弱性があったとして、誰からどの経路で情報が漏洩したか複数の可能性が存在するとし、「現時点では究明に至らなかった」と結論づけた。

 一方で、県のセキュリティーシステムの問題点にまだ十分に対応できていないとして、改善策が実施された後に、さらに詳しい調査結果を公表するとした。

共有
Exit mobile version