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写真・図版
石川慶子氏=本人提供

 兵庫県の内部告発問題などを調べた県の第三者委員会が報告書をまとめてから5カ月が経過した。ただし、斎藤元彦知事は、自身の問題点を指摘する報告書の一部を否定している。第三者委員会の意義や、斎藤知事の対応について、広報コンサルタントの石川慶子さんに聞いた。

 ――第三者委の意義とは。

 一般的に第三者委の役割は、組織内で不祥事などの問題が起こった際に、客観的に原因を分析し、再発防止に役立つ方策を提案することです。

 本来は組織内部からそれができればよいのですが、ステークホルダーへの説明責任が生じる以上、客観性を担保する必要があります。社会的影響が大きい事象について第三者委の立ち上げが必要になるケースが多いです。

 ――斎藤知事の対応をどのように見ていますか。

 私は危機管理やリスクマネジメントを専門にしているコンサルタントですので、数々の第三者委の報告書を見てきました。告発文書について調べた県の第三者委は、斎藤知事の告発者を特定するなどの対応を公益通報者保護法違反だと認定しました。

 斎藤知事の一番の問題は、告発文書の作成・配布を理由の一つとして告発者を懲戒処分してしまったことです。私は2006年に公益通報者保護法が施行された際、この法律が組織のガバナンスを変えるのに非常に重要な役割を果たすことになると期待しました。告発者の処分に正義はなく、今どき、あり得ません。

 ――処分したことの問題性を…

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