第171回芥川賞に「サンショウウオの四十九日」で選ばれた朝比奈秋さんに、エッセーを寄せてもらった。
AIは今のところ、たいした小説は書けないらしい。作家としてAIというテーマにさほど興味がないが、一人の人間としてはとても興味がある。AIと話してみたい。自分よりはるかに知性があるものに、たずねたいことが沢山(たくさん)ある。
AIに関しては門外漢の私だが、小説を書くことについては少しばかりわかっているつもりだ。AIは、いつか職業作家の平均的なレベルの小説が書けるようになると推測している。それも、百年後とか五十年後とかではない。作家的直感でいうと、十年もかからないような気がしている。
人間が持っていて、AIが持…